▼太陽光発電システムの導入方法とメリット
太陽光発電システムは、太陽光を利用して電気を発生させる装置です。
日本では、屋根に設置されるパネルから電気を発生させる屋根面積限定型や、地上に設置する大規模な発電所型があります。
ここでは、一般家庭向けの屋根面積限定型を例に取り、導入方法とメリットについて説明します。
太陽光発電システムの導入方法
太陽光発電を個人で購入する方法としては、以下の3つがあります。
①自分で太陽光発電システムを購入して設置する方法
②太陽光発電を専門に取り扱う会社などを提供する賃貸・リース方式を利用する方法
③PPA（Power Purchase Agreement）
①自分で太陽光発電システムを購入して設置する方法
自分で太陽光発電システムを購入して設置する場合、以下の手順が必要となります。
発電システムの選定：複数業者に見積もりを依頼して発電システムを選定、購入する。
設置場所の確保：発電システムを設置する場所を確保する。
施工業者の選定：施工業者を選定し、設置作業を依頼する。
電気工事：施工業者により、発電システムの設置作業と電気工事が行われる。
申請手続き：発電システムの設置には、各自治体によって必要な手続きが異なる場合があるので、申請手続きを行う。
②賃貸・リース方式を利用する方法
太陽光発電を専門に扱う会社などが提供する賃貸・リース方式を利用する場合、以下の手順が必要となります。
賃貸・リース会社の選定：太陽光発電を専門に取り扱う会社を選定する。
契約継続：賃貸・リース契約を締結する。契約期間や、契約に基づく支払い金額が確定される。
発電システムの設置：賃貸・リース会社が発電システムを設置する。
電力の販売：発電システムから発電された電力を、賃貸・リース会社が販売する。電気代の支払いや、買取価格が定められている。
自分で太陽光発電システムを購入して設置する場合は、初期投資が大きくなるため、賃貸・リース方式を利用することが一般的です。
③PPA（Power Purchase Agreement）
PPA（Power Purchase Agreement）は、発電事業者と電力消費者の間で結ばれる電力購入契約のことです。
太陽光発電のPPAでは、太陽光発電事業者が太陽光発電システムで発電した電力を、電力消費者に対して売電する契約となります。
一般的に、太陽光発電事業者は、設備投資費用を全額負担して、自社で太陽光発電システムを所有して発電します。
そして、PPA契約に基づいて、発電した電力を電力消費者に販売します。
このようなPPA契約は、電力消費者にとっては、自社で発電設備を所有する必要がなく、安価で太陽光発電による電力を調達できるというメリットがあります。
PPA契約は、以下のような特徴があります。
・契約期間が長い
契約期間が長期化する傾向があるPPA契約は、太陽光発電事業者にとっては、収益の安定性を確保するために長期契約が続くため、契約期間が10年以上の場合が多いです。
・電力価格の変動リスクがない
電力価格は固定価格が一般的なPPA契約では、電力消費者が太陽光発電事業者から購入する電力価格が、契約期間中に固定されることが多いです。
これにより電力価格の変動リスクを回避することができます。
・安価な電力を調達できる
電力消費者による買い取り保証がされるPPA契約では、電力消費者は発電事業者から買い取った電力を必ず購入することが保証されています。
太陽光発電のPPA契約は、自社で発電設備を所有する限り、太陽光発電による安価な電力を調達することができます。
今回紹介した手順や方法は太陽光発電を設置する際に必要ですが、新築工事の時に太陽光パネルを一緒に設置しておくと、選定や手続きを建築会社や不動産会社が行ってくれるため、手間がかかりません。
新築住宅の購入を検討されている方はこの機会に太陽光発電の導入を一緒に検討されるのがおススメです。
太陽光発電システムのメリット
①省エネ・CO2削減効果
太陽光発電システムは、太陽光を利用して電気を発生するため、燃料を使わずに発電します。二酸化炭素（CO2）を排出しません。
そのため、化石燃料を使った発電に比べて、省エネやCO2削減につながります。
②電気料金の削減
太陽光発電システムで発電した電気は、自家消費することで、電気代を削減することができます。
また、余った電気は売電することもでき、売電収入が得られます。
③メンテナンスの簡略化
太陽光発電システムは、ほとんどの場合、故障する部品が少なく、メンテナンスが簡単です。
また、システムの寿命は20年以上と長いため、長期的に見てもメンテナンスの負担が少ないです。
④災害時の備え
災害のとき停電などで電力供給が途絶えることがありますが、自家発電をしていれば電力を賄うことができます。
また、蓄電池があれば夕方や夜でも電力を確保することができます。
太陽光発電システムのデメリット
①設置が向かない家もある
太陽光発電は全ての家で十分なメリットを得られるわけではありません。
屋根の向きによっては十分な発電量が得られないだけでなく設置ができない場合もあります。
特に北向きでは十分な発電量を得られないため、設置を禁止しているメーカーもあります。
②トラブルのリスクがある
太陽光パネルの光の反射が原因で近隣にトラブルになる例もあります。
このトラブルが発生するケースは特に北向きが多いことから北向きの設置はおススメされていません。
太陽光発電を導入したい場合は、トラブルにならないように周辺環境についてきちんと確認しておく必要があります。
③設置費用が高い
太陽光発電のデメリットと聞くと一番最初に思い浮かぶのが設置費用ではないでしょうか。
太陽光発電の導入にはほとんどの場合100万円以上の費用がかかります。
発電によって手元に戻ってくる費用ではありますが、初期費用としては高額になってしまうため、補助金やローンをうまく活用すると良いでしょう。
④メンテナンス費用もかかる
初期費用だけでなく、15～20年に1度くらいはメンテナンス費用がかかってしまいます。
初期費用だけでも高額な上、メンテナンスにも数十万の費用がかかるため、発電量が少ないと損になる可能性もあります。
屋根の向きや住む場所の気候が発電に向いているかきちんとチェックしましょう。
以上が、太陽光発電システムの導入方法とメリット・デメリットです。
太陽光発電システムは、省エネやCO2削減につながり、電気料金の削減やメンテナンスの簡易化、災害時の備えなど、多くのメリットがあります。
しかし設置費用や設置場所の条件など、導入にはさまざまな要素があります。
専門業者と相談し、自分にとって最適な太陽光発電システムの導入を検討しましょう。
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