制震ダンパーとは:効果や種類の比較

▼制震ダンパーとは:効果や種類の比較


制震ダンパーとは地震による揺れを吸収する装置で、柱や壁の接合部などに用いられます。

建物へのダメージ軽減を目的に設置します。


制震に似た言葉で「免震」や「耐震」という言葉もあります。


制震・・・・建物を強くすることで地震の揺れに耐えようとする構造です。

壁に筋交いをいれたり、接合部を金具で補強することで建物を強くします。


免震・・・建物と基礎の間に特殊な免震装置を設けることで、地震の力を受け流して建物の揺れを少なくします。

免震の建物は大きな地震でも建物が揺れにくいことが特徴です。

免震装置が地震の揺れを吸収します。


耐震・・・建物内で地震の揺れを吸収する構造です。

建物の内部にダンパーなどで構成された制震装置を設けて、地震による揺れを小さくします。

制震構造があると、高い建物の高層階でも揺れの幅を緩和できます。


制震・免震・耐震どれを選ぶかによって費用は大きく異なるため予算に合った構造を選びましょう。



制震ダンパーの種類

制震ダンパーには大きく3種類があります。

使用している素材などが異なっています。


①ゴムダンパー

特殊な粘弾性のゴムを制震ダンパーにいれて地震の揺れの度に伸び縮みさせることで地震の力を熱に変えてダンパーに吸収させる仕組みです。

ゴムの性質上、伸び縮みした後もとに戻るので、何度も繰り返し起こる地震に効果を発揮します。

しかし、ゴムダンパーは寒いとかたくなり、高温の時は伸びる性質があります。

気温差が大きい地域では劣化に繋がるため注意が必要です。

ゴムに加えてアクリルやシリコンなど様々な材料を組み合わせた商品もあります。

また、基本的に大型のため施工できる場所には制限があり、施工には2.3人の人手が必要となります。

後付けだと工事が大がかりになってしまうため、新築時に導入する必要があります。


②鋼材ダンパー

金や銅など金属を用いて作成したダンパーを総じて鋼材ダンパーといいます。

金属が曲がるときの力を熱エネルギーに変えることで、地震の揺れを軽減する仕組みとなっています。

他の制震ダンパーと違って金属を組み合わせただけのシンプルな構造で、比較的安価で取付可能です。

またメンテナンスも不要なため、採用しやすくなっています。

しかし、熱エネルギーに変換されるような強さの揺れが来ない限り、制震ダンパーとしての力を発揮することができません。

そのため、大地震に備えて施工するタイプで小さな揺れにはあまり効果がありません。

また、金属で制作しただけのシンプルな構造なため、何度も繰り返し揺れに耐えていると金属疲労が生じて破損するリスクがあります。

繰り返しの地震には弱くなります。


③オイルダンパー

内部に補填しているオイルの抵抗によって揺れを吸収する仕組みです。

小さな揺れから効果を発揮すること、小型のため施工が容易である点が特徴です。

オイルダンパーは車の振動を吸収する技術を採用しているため、小さな揺れから大きな揺れまで様々な揺れに対応可能です。

また地震だけでなく台風などの強風に対しても効果を発揮します。

大型ダンパーとは違って建物の外回りに分散して設置するため、間取りへの制約はありません。

小型である=吸収できるエネルギーが短いため、ダンパーの本数が増えてしまう場合があります。



ゴムダンパーの例

・TRCダンパー

住宅だけでなくビルや鉄道、自動車、橋などの土木に至るまでさまざまな分野に用いられている制震ダンパーです。

使用している特殊粘弾性ゴムは、壁に入ってくる地震エネルギーを熱エネルギーに瞬時に変換させて揺れを低減する性質があります。

新築時だけでなく、耐力壁工事とともに施工可能なためリフォームでも使うことができます。

使用されている特殊粘弾性ゴムは時間経過による特性の変化が少ないため、メンテナンスがなくとも、優れた効果を持続的に発揮することができます。

また、温度による性能の変化が少ないため、季節や環境を気にする必要はあまりありません。


・MIRAIE

使用している高減衰ゴムは「伸び縮みしながら繰り返し使用できる」というゴムが持つ最大の特長を活かしながら、高いエネルギー吸収性能を持続します。

高減衰ゴムは運動エネルギーを瞬時に熱エネルギーに換えて吸収・発散します。

加硫接着という独自の技術でゴムと鉄板を強固に接着させることで、設置環境に由来する内部ゴムの耐久性を向上させています。

そのため、90年設置しても性能がほとんど変わらず効果を発揮することを確認しています。

住宅の基礎とアンカーボルトで強固に緊結し、地震の揺れを効率よく高減衰ゴムに伝えて揺れを吸収します。

一基当たりの性能を上げることで設置個所を少なく、低コストでの施工を可能にしています。


鋼材ダンパーの例

・仕口ダンパー

仕口ダンパーは木造建物の柱と梁に交点に取付ける制震ダンパーで地震による建物の揺れのエネルギーをしなやかに吸収し、建物の変形を小さくすることにより地震による被害を抑えます。

地震・風揺れ低減に効果を発揮し、振動を2~5割ほど低減します。

新築、改修どちらにも対応可能で比較的低コストで導入が可能です。


・GVA

制震材を組み込んだダイヤモンド型の制震装置を建物に最適なバランスで設置するシステムです。

制震ダンパー、フレーム形状、設置バランスなどシステム全体で最適なエネルギー吸収効果を建物に付加します。

耐食性のあるダンパーは吹付断熱が可能で断熱材の変形も守ってくれます。


オイルダンパーの例

・αダンパーExⅡ

振動を吸収する技術に特化していうため、小さな揺れから繰り返される地震、大地震にもその実力を発揮させることができます。

圧倒的にコンパクトなサイズ感が魅力の一つです。

建物の仕様に影響を与えず、間取りの制限がないため希望の間取りを実現しつつ制震ダンパーの取付ができます。

小型でありながらメンテナンス不要で耐久性能は120年、建物全体で地震による揺れを吸収・抑制させます。


・減震くんスマート

繰り返しの地震に効果を発揮・高い制震効果を発揮します。

また、メンテナンスフリーで60年間想定の劣化促進試験でも性能が変わらないことを実証済です。

オイルや部品の交換も必要ありません。

新築時、改修時どちらでも施工可能で、補修費用の発生するリスクを大幅に低減することができます。


最終的にどの制震ダンパーを選ぶのかは建物やニーズによって変わります。

費用や耐久性などあらゆる面を考慮して選びましょう。


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