断熱材の種類と特徴:どれを選ぶべき?
今回は数ある断熱材のうち主要なものを紹介していきます。
断熱材選びの参考にしてみてください。
①グラスウール
グラスウールとはガラスを主原料とした
綿状の素材で最も一般的な断熱材です。
◎メリット
・耐火性がある。
原料であるガラスは不燃性の素材のため、
万が一火事が起こっても有毒ガスなどを発生させません。
高温で溶けてしまうことがあっても、燃え上がることはない素材です。
・吸音性に優れている。
繊維質な素材のため、吸音性能に優れています。
音の反響を軽減し不快な騒音をカットすることで
快適な音環境をつくります。
・経年劣化がほとんどない
無機質なガラス繊維でできているため、温度変化による伸縮があまりなく
断熱材として長期間性能を維持する耐久性を兼ね備えています。
・安全性が高い
世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)によって
発がん性リスクが低いということが証明されています。
△デメリット
・湿気に弱い
グラスウールは湿気などの水分に弱い素材です。
繊維自体に吸湿性はないものの、繊維間に含まれる空気が
保水することで水漏れにつながります。
グラスウールを使用する際は吸湿シートなどで湿気対策をきちんとする必要があります。
②ロックウール
ロックウールとは鉱物(無機質)由来の素材のため
燃えにくく湿気に強いという性質があります。
◎メリット
・優れた断熱性がある。
密度の高い繊維のため空気が流れにくい素材です。
そのため熱が伝わりにくく、高い断熱性能を持っています。
・耐火性がある。
燃えにくさや溶けにくさの度合いが高いのも特徴的です。
耐えられる温度の上限が高く、高い耐火性能を発揮します。
△デメリット
・グラスウールと比較すると価格が高い。
・水分を吸収すると断熱性能が下がる。
素材としては耐水性があるものの、水を吸収すると
素材の性質が変化して断熱性能が下がってしまいます。
グラスウールと同様に防水対策をする必要があります。
③セルロースファイバー
セルロースファイバーは天然繊維(パルプ)でできた断熱材です。
◎メリット
・高い防音効果がある。
吹き込み施工により家が密封された状態になるため、
高い防音効果を発揮します。
外の騒音をシャットアウトするだけでなく、家の中の音も外に聞こえづらいため、近隣に迷惑をかける心配がありません。
・調湿効果がある。
セルロースファイバーは水分の吸放湿性があります。
木質繊維が周囲の状況に応じて水分を吸ったり吐いたりすることで結露の防止になります。
・防虫・防カビ効果がある。
セルロースファイバーにはホウ酸が配合されているため
シロアリやゴキブリといった害虫予防に効果があります。
また、ホウ酸は難燃性もあり、火が燃え広がるのを防ぐ効果があります。
△デメリット
・価格が高い。
セルロースファイバーは密度を高くするため、たくさんの量を必要とします。
グラスウールと比較すると、約3倍もの量を使用しています。
たくさんの量を使う分、コストがかかってしまいます。
④羊毛(ウールブレス)
ウールブレスはその名の通り原料のほとんどがウールです。
◎メリット
・調湿性がある。
ほとんどの断熱材は吸湿性が高く、放湿性が低いという性質があります。
しかしウールは高い湿度調節機能により、湿度を吸い込み吐き出すことができる断熱材です。
・防虫効果がある。
ホウ酸が配合されているため、シロアリやゴキブリといった害虫予防に効果があります。
・断熱効果が高い。
衣服などでウールといえば暖かいイメージがあると思いますが、断熱材でも同じです。
繊維の中に多くの空気を含んでおり、体温を外に逃がしません。
△デメリット
・価格が高い。
原料となる羊毛は国産のものは少なく、輸入に頼っているため高額になりやすくなっています。
⑤炭化コルク
炭化コルクはコルクを廃棄利用し、蒸し焼きにして炭にしたものが原料です。
◎メリット
・調湿効果がある。
炭化することでコルクの気泡部分が開き、空気中の水分を吸収したり吐き出したりする性質を持つようになります。
・防虫性能がある。
コルク樫の木は虫から身を守るために忌避成分があるため、虫やダニを寄せ付けない住環境をつくってくれます。
・吸音性がある。
コルクは防音材としても使用されることがあるため音を吸収する性質を持っています。
△デメリット
・価格が高い
グラスウールと比較すると価格は5~10倍になります。
⑥ポリスチレンフォーム
発泡プラスチック系の旧宅用断熱材でポリスチレンを主成分としています。
主に「ビーズ法」と「押出法」の2種があります。
◎メリット
・断熱性能が劣化しにくい。
ポリスチレンフォームはプラスチック系断熱材のため、熱伝導率が低く断熱性が高いのが特徴です。
・耐水性に優れている。
ポリスチレンフォームは他の繊維系断熱材に比べて吸水率・透湿性が小さく、耐水性に優れています。
△デメリット
・火や熱に弱い
そのままだと火に弱いので、難燃剤などを加えて燃えにくくしている場合が多いです。
⑦硬質ウレタンフォーム
ポリウレタン樹脂に発泡材を加えた断熱材です。
◎メリット
・断熱性能が高い。
微細な気泡の中に熱伝導率が極めて小さいガスを閉じ込めているため、優れた断熱性を発揮します。
・水・湿気に強い
プラスチック系の断熱性のため、水・湿気に強いです。
△デメリット
・価格が高い
・有毒ガスが発生する可能性がある。
万が一燃えた際に有毒ガスが発生する可能性があります。
しかし、建物が燃えた際に有毒成分を発する危険性があるのは断熱材に限らないため、気にしすぎる必要はないとの見方もあります。
⑧フェノールフォーム
フェノール樹脂に、発泡剤や硬化剤を加えたものです。
◎メリット
・トップクラスの断熱性能
熱伝導率が非常に低いため高い断熱性能を持つのが特徴です。
・湿気や水分に強い
耐水性が高いプラスチックを主たる原料にしているため湿気や水分強くなっています。
・耐熱性がある
プラスチックという素材は基本的に熱に弱いものですが、フェノールフォームは耐熱性に優れています。
フェノール樹脂は熱に強く、フライパンのグリップなどにも幅広く採用されている素材です。
△デメリット
・価格が高い
・風雨や紫外線による劣化がある
プラスチックは風雨や紫外線といったダメージに弱い素材です。
しかし実際は外壁材が上にあるため、それほど心配する必要はありません。
・シロアリに弱い
白アリはプラスチック素材もかじってしまうので、シロアリ対策をしていないと被害にあってしまいます。
以上が代表的な断熱材の種類とその特徴です。
断熱性の高い家を目指す場合は断熱材の選定が必要となります。
工務店によっては扱う断熱材が決まっているところもありますが、断熱材の種類を選ぶことができる場合は参考にしてみてください。
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