▼地盤調査とは。安全な住まいのために
建物や構造物を建設する前に、その土地が確実にかつ効果的に建物の重さを支えられるかどうかを確認するプロセスがあります。
このプロセスは「地盤調査」と呼ばれ、地盤の特性や安定性を詳細に調査し、建設プロジェクトの安全性と耐久性を確保するための基礎を築く重要な意義があります。
地盤調査では、まず土地の中に穴を掘り、取り出された土のサンプルや地下の岩などを分析します。
これによって、土地の性質や地盤の強さ、地下水の状態などを理解することができます。
特に注目されるのは、その土地がどの程度の建物の重さに注目されるか、また沈下に対してどれだけ抵抗できるかという点です。
この調査の結果、地盤が十分に強固で安定している場合、建物の基礎設計に適した情報が得られます。
この時、地盤改良工事が行われることがあります。
地盤改良は、地盤の強化や安定性向上を図るための技術的な手法を迂回し、これによって安全性の確保が図られます。
つまり、地盤調査は建物を建設する際において、土地の特性を正確に把握し、建物が長寿命で安全なものとなるように基礎を築くための途中なプロセスと言えます。
地盤改良工事が行われることで、土地の条件に適した堅牢で耐久性のある基盤が構築され、建物の安全性が確保されるのです。
▼地盤調査の方法
地盤調査の主な方法は以下の2つです。
①SWS試験
住宅の地盤調査で最も一般的な方法です。
ロッドと呼ばれる鉄の棒に重りを付けて地盤に対して垂直に突き刺し、回転数やおもりの重量から地盤の強度を調べます。
戸建て住宅の場合、住宅の四隅と中央部の5つのポイントを調査するのが一般的です。
他の方法よりも費用が手ごろですが、土質が採取できない、固い地層には貫入できない、10m以上の深いところでは精度が低くなってしまうなどのデメリットもあります。
あくまでも簡易調査なため、規模が大きい工事などではボーリング調査を行う方が良い場合もあります。
②ボーリング調査
基本的な地盤調査の方法で、マンションの建設などの大規模建造物の調査で用いられます。
地面に円筒状の穴をあけて、一般的には深さ1mごとに土のサンプルを採取します。
これにより、掘っている部分の土質や強度が判断できます。
1日~数日を要する大がかりな作業で、調査は1か所のみを10m~数10m掘り進めます。
▼地盤改良工事
地盤調査によって地盤が弱いことが判明した場合、建物を安全に支えるための地盤改良工事を行います。
耐震性能が高い住宅を建てても、地盤が弱いとその上に建つ家が揺れたり、沈んでしまいます。
地盤改良工事の方法は主に3つあります。
①表層改良工法
セメントを使用して地表周辺を固める地盤改良工事のことで、地盤の軟弱な部分が地表から2mほどまでの比較的浅い場合に採用されます。
軟弱層を掘ってその部分の土とセメントを混ぜ合わせることで地盤を強固にします。
利用する重機もパワーショベルなどでコンパクトなものが多いため、狭いスペースでも作業ができます。
費用に関しても比較的リーズナブルです。
改良深度が浅い場合は比較的リーズナブルで、小型の重機でも施工ができること、地中にコンクリートや石などが混入していても可能ですが
勾配のきつい土地では施工が難しくなってしまいます。
②柱状改良工法
セメントを円柱状に流し入れた強固な杭で建物を支える工事で、軟弱な地盤の深さが地中2~8mの場合に用いられます。
この杭の上に建物が乗ることになります。
この工法は杭の長さや本数によって費用が変動します。
表層改良工事よりも価格が高くなります。
強固な地盤がなくても施工できる工法ですが、地盤によってはセメントが固まらないことがあります。
また一度施工すると撤去にはかなりの費用がかかってしまうため、将来的に土地を売る可能性がある場合はよく考えてから施工することをおすすめします。
③鋼管杭工法
先ほどの柱状改良工法に似ている工法で、異なるのはセメントなどで固めた杭ではなく、鋼管杭を埋め込みます。
鋼管でできた杭を支持地盤となる硬い地盤まで打ち込んで、強固な土台をつくる工法です。
表層改良工法、柱状改良工法よりも強度を確保できるため、重量のある建物にも対応が可能です。
柱状改良工法よりも細い鋼管で支えるので狭小な土地など、重機を搬入しにくい場所での工事にも適しています。
工事にかかる日数は1~2日程度なので短期間で工事を終わらせたい方におすすめです。
施工後の地盤の強度が高いのが特徴的ですが、強固な地盤がなければ施工ができません。
また、柱状改良工法よりも費用が高くなる傾向があるため注意が必要です。
▼地盤調査に関する法律
地盤調査については建築基準法第38・93条で定められています。
以下は第38条の内容を簡単にまとめたものです。
・地盤の強度と安定性の確保
建築物を建てる際には、地盤が十分な強度と安定性を有していることを確保する必要があります。
・正しい基礎の採用
地盤の状態に応じて、適切な基礎形式を見極めて、基礎の設計と施工が適正であることを保証しなければなりません。
・耐震性の考慮
地震に備え、建築物が地震の揺れに十分に対応できるように耐震性を確保するための基準です。
・地盤改良の実施
地盤に不安がある場合は必要に応じて地盤改良を行い、安定性を向上させることが求められます。
以下は第93条の内容を簡単にまとめたものです。
・地盤改良の必要性
建築物を建てる際、地盤が弱いと判断された場合、地盤改良工事が必要とされます。
・設計・施工の適正性
地盤改良工事は適切な設計と施工によって実施されなければならない。
・建築主の情報提供義務
地盤改良工事が必要な場合、建築主は必要な情報を提供し、建設機関に報告しなければならない。
・地盤改良工事の報告
地盤改良工事が実施された場合、その内容結果を報告し、必要に応じて関係に提出しなければならない
・設計者・施工者の資格
地盤改良工事の設計者・および施工者は適切な資格や経験を有している必要があります。
・建築主の監督義務
建築主は地盤改良工事が法令に沿って行われていることを確認する責任があります。
地盤調査に関しては、土地の契約・引き渡しをした後にしか調査ができません。
そのため調査してみないと地盤が弱いかどうかはわからない部分が多いです。
調査の結果で地盤改良が必要となった場合は追加で費用がかかってしまうため、余裕をもって資金を用意することが必要です。
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